「SIerの仕事がつまらないから辞めたい」
「SIerでは資料作りばかりやって、開発をほとんどやっていない」
このような不満を抱えるSIerのSEは多いと思います。
筆者もSIerでこのような不満を抱えて仕事をしていたので良く分かります。
本記事では以下について説明します。
- SIerがつまらないと感じる原因5選
- SIerがつまらないと感じたときにやるべきこと
一人での多くのSEが嫌々ながら働く状況から脱却することを願っています。
SIerがつまらない原因とは?
筆者がSIerで働いていた頃から、つまらないと思う原因は変わっていません。主に以下の5つです。
それぞれの原因について以下説明します。
SIerは顧客に振り回されことが多い
B2BでもB2Cでも顧客には振り回されます。しかし、SIerが他業種と異なるのは、大抵の場合、顧客がITに対して無知すぎると言うことです。
そのため、明らかに失敗が目に見えている、もしくは意味のない対応を求められることが良くあります。
例えば、意味が無くてもSIerとして儲かるのであれば、顧客の指示に従うのですが、そう言ったことはストレスとして溜まるものです。
SIerは調整力・マネジメント力が重視される
顧客に振り回されがちな業種なので顧客および自社の営業との調整力、また、チームをまとめるためのマネジメント力が大切になります。
自社の営業との調整力の意味について説明します。SEは利益、営業は売上が評価指標である会社が多いため、利害が合わず、衝突することが多いのです。そのため、SE・営業間での調整は非常に重要な業務の一つと言えます。
また、特にプロジェクトがうまく言っていない場合、チーム内の空気も悪くなりがちなので、それをまとめあげることも重要な業務になります。
エンジニアを目指すような人はこう言った調整力・マネジメント力が嫌いなことが多いため、煩わしいと感じる人が多いようです。
SIerはチャレンジが評価されない
システム開発で最も分かりやすいミスで、顧客の怒りを買うのが障害によるシステム停止です。そのため、SIerではシステムの安定稼働が最重要視されます。
その結果、ミスをしないために減点主義となり、チャレンジは好まれません。新技術はリスクを伴うので、枯れたと言われる実績十分な技術が採用されます。
特に若手のうちは新しい技術にチャレンジしていきたいと言うこともあり、こう言った姿勢には不満が溜まりがちとなります。
SIerの仕事はExcel・PowerPointによる作業に時間が取られすぎる
顧客や社内の調整に加え、SIerは上流工程と言われる要件定義・基本設計などを担当するために、SIerの業務は資料作成ばかりです。特にプログラミングを行うのは入社して数年のみで、それ以降は調整業務や資料作成に忙殺されます。
SIerで開発業務に携われると思って入ると肩透かしにあって、モチベーションが下がる訳です。
SIerでは技術力が身につかないことが多い
SIerは最先端技術を追いかける訳ではありません。どちらかと言うと、安定稼働のために使い古された確実な技術が採用されます。また、開発業務にも携わらないため、段々と開発スキル自体が落ちていきがちです。
開発がやりたくてSIerに入ると、実際には開発ができないために不満を覚えます。
SIerがつまらないと感じたときにやるべきこと
SIerがつまらないと感じたときに、即転職と考えるのではなく、一度、なぜ、そう感じてどうして行きたいのかを冷静に振り返って考えることが重要です。
つまらないと感じる原因を明らかにする
つまらないと感じる原因を明らかにしましょう。
大抵の人は考えが整理されていないため、なぜ、自分がつまらないと感じているのかが分からないものです。とりとめもない不満を紙に書き出してみると良いでしょう。書いているうちに頭が整理されてきます。
原因が分からなければ対処法は見つかりません。
つまらない原因に対する解決策を考える
SIerがつまらないと感じられる主な原因5つは以下の通りです。
- 顧客に振り回されがちだから
- 調整力・マネジメント力が重視されるから
- 安定稼働が重視される余り、減点主義でチャレンジが好まれないから
- Excel・PowerPointによる資料作成に費やす時間が長すぎるから
- 技術力が身に付かない
これらの原因に対する対策について以下説明します。
顧客に振り回されがちだから
対策は大きく2つです。
- コミュニケーションスキルを強化する
- 顧客対応が不要な仕事に変わる
1点目についてコミュニケーションスキルとは口が上手いなどと言うことではなく、顧客の信頼を得るための技術と言うのが本質的な理解だと思います。
口下手でも顧客の信頼が厚い先輩がいれば、見習ってみるのが良いでしょう。
2点目について顧客対応の頻度が比較的少ないのはスペシャリストになることです。
スペシャリストの対象領域には以下のようなものがあります。
- プラットフォーム
- システム管理
- データベース
- ネットワーク
- 分散コンピューティング
- セキュリティ
社内でこう言ったスペシャリスト系の職種があれば、異動を願い出るのも良いでしょう。
調整力・マネジメント力が重視されるから
対策は大きく2つです。
- 調整力・マネジメント力を強化する
- 調整力・マネジメント力が不要な仕事に変わる
1点目には「顧客に振り回されがちだから」の対策の1点目と同様で、うまい人を真似るのが良いでしょう。
2点目についても「顧客に振り回されがちだから」の対策の2点目と同様で、スペシャリスト系職種への異動がおススメです。
安定稼働が重視される余り、減点主義でチャレンジが好まれないから
対策は大きく2つです。
- 新規技術や新規事業立上の部署があれば異動する
- 新規技術活用を重視する会社に異動する
1点目はそう言った部門があり、社内募集していれば手をあげてみると良いでしょう。
2点目はそう言った会社はありますが、かなりの技術スキルが無ければ転職できないため、中々、難しいでしょう。
Excel・PowerPointによる資料作成に費やす時間が長すぎるから
対策は大きく2つです。
- 資料作成スキルを上げる
- 資料作成が少ない会社に転職する
1点目は資料作成がうまい人の真似をするのが上達への一番の道です。
2点目は大手企業ではほぼ例外なく、資料作成は必要になるのでベンチャー企業への転職が良いかもしれません。ただし、資料作成は比較的簡単にスキルアップできるので、できるようになる努力をしてみることをおススメします。
技術力が身に付かない
対策は大きく2つです。
- 新規技術の活用をミッションとする部署があれば異動する
- 技術力を売りにした企業に転職する
1点目は一定規模のSIerにはそう言った部署があると思いますので、異動希望を出してみるのも良いでしょう。
2点目は気になる新規技術などに関してメディアで情報発信しているような企業をチェックしてみると良いでしょう。
解決できない場合は転職を検討する
SIerがつまらない原因への対策を検討し、不満解消ができそうにない場合は転職を検討しましょう。
リクルートの調査によると、転職活動の成功者は平均3.4の転職エージェントに登録していました。
おすすめの転職エージェントのおすすめ3点セットは以下の通りです。
1位:doda
【公式】https://doda.jp/
筆者の3年に渡る転職活動を支えてくれた面倒見の良い業界No2の転職エージェント
2位:リクルートエージェント
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業界最大級の非公開求人数(27万件弱)を誇る業界No1の転職エージェント
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未経験者のITエンジニア転職支援に強い代表的な転職エージェント
Web系(自社開発)に興味をお持ちの方は「SIerとWeb系の違いと向き不向き|両方の経験から言えること」を参考にして下さい。
SIerで身につくスキルと身につかないスキル
SIerで身につくスキルと身につかないスキルについて説明いします。
SIerで身につくスキル
SIerで身につくスキルについて説明します。
提案力
SIerで商談を獲得するためには顧客に何らかの提案を行う必要があります。
そのため、提案力は必須スキルです。
提案力は顧客の課題を把握したうえでITによる解決策を考える必要があるため、非常に高度なスキルと言えます。
要件定義・設計スキル
提案は営業と協同して行っていくため、SIerのSEとしては要件定義・設計スキルが最も大切なスキルです。
システムの目的達成や出来・不出来に最も影響を及ぼすのも要件定義・設計スキルと言えます。
実際にはSIerでも会社によってはほとんど、この工程に携われないため、その辺りは会社をよく見て検討した方が良いでしょう。
コミュニケーションスキル
顧客とのコミュニケーションもSIerのSEに求められる重要なスキルの一つです。
コミュニケーションとは簡単に言うと相互理解で、相手の話の理解とこちらの話を理解してもらうことで構成されます。
言った言わないが問題になるのは、コミュニケーションの質・量の不足によるものです。
プロジェクト管理
プロジェクト管理とは目標達成に向けてプロジェクトを推進していくことです。
管理対象はプロジェクトの評価項目であるスケジュール・コスト・品質の3つがあります。
この3つの目標達成に向けてプロジェクトメンバーを率いて顧客と折衝していくのがプロジェクト管理と言う仕事です。プロジェクト管理スキルは汎用性が高く、どこに行っても使えるものと言えます。
SIerで身につかないスキル
SIerで身につかないスキルについて説明します。
開発スキル
開発の中でもプログラミングは20代はやりますが、30代以上は全くやりません。
プログラミングを行わないからSIerはダメだと言う意見を見聞きしますが、プログラミングよりも「SIerで身につくスキル」の方が需要は大きく、高い年収を得られます。
ただし、プログラミングを全くやらなければ、要件定義・設計スキルを身に付けることが難しいので20代のころにやっておく必要はあります。
まとめ
SIerがつまらないから辞めたいと言う気持ちは良く分かります。筆者は実際にSIerを辞め、転職しました。
しかし、一度、立ち止まって、自分の考えを良く整理してみた方が良いでしょう。不満な気持ちが先行して後先考えずに辞めると後悔することになりかねません。
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