「IT業界に転職を考えているけど、将来性はどうなんだろう?」
「AIとか、DXとか、良く分からないけど、何が凄いんだろう?」
こんな疑問に答えます。
なお、未経験からエンジニア転職志望者が増えていることを気にしている人は「未経験エンジニアが増えすぎ?転職できる?将来性は?」をご覧ください。
本記事の内容
- IT業界で期待されている新技術にはどんなものがあるのか?
- IT業界の今後や将来性はどうか?
- 有望視されている職種は?
- 今後の課題は?
IT業界は将来性豊かな業界です。
未経験から業界に飛び込むにはプログラミングスクールでITスキルを身に付けるのが良いです。
IT業界の最新トレンド
IT業界では最新技術が新しい需要を生み出してきました。
数年おきに絶え間なく、イノベーションが起き続けていることがIT業界の活気が絶えない要因と言えます。
現在の新しいトレンドについて説明します。
AI/ビッグデータ/IoT
ネットや新聞、テレビ、雑誌で見ない日がないと言うくらい、話題になって言るAI・ビックデータ・IoTについて説明します。
AI、ビックデータ、IoTの概要は以下の通りです。
- AI:これまで人間だけができていたことの置き換えに利用可能
- ビックデータ:AIに学習させるためのデータ
- IoT:インターネットにつながったモノからデータを収集する手段
AI
AIとは、「Artificial Intelligence(人工知能)」の略ですが、一般的には機械学習や深層学習と言われる計算手法を指します。
簡単に言うと、AI(人工知能)とは画期的な計算手法です。
AI(人工知能)で実現可能なことは以下の通りです。
- 新卒採用のエントリーシート評価
- がん検出のための画像診断
- 寿司の値段の自動変更
- 道路や橋梁のひび割れの検知
- 工場での不良品検出
- 問い合わせ対応の自動化(チャットボット)
- 議事録の生成
引用元:AINOW
人間が行うと多くの時間を取られる作業を自動化します。
また、がん検出のように熟練した専門家のみができていたことをIT化できることも画期的だと言われる理由の一つです。
ビッグデータ
ビッグデータとは、「日々膨大に生み出される、様々な種類のデータ」のことです。
ビッグデータが普及するようになった理由は、以下の3点です。
- コンピュータの高速化
- ハードディスクの大容量化/低価格化
- ビッグデータ活用ツールの普及
ビッグデータの利用用途は様々ですが、最も重要なものの一つはAIの学習用途です。AIはビッグデータを学習することで、様々な用途で活用できるようになります。
AIの利用方法の一つである「工場での不良品検出」を例に説明します。この場合、AIには不良品の画像と、不良品ではない製品の画像を数百万~数千万枚、学習させます。
そうすることで、AIは新しい画像を読み取って不良品かどうかを判定できるようになるわけです。
このようにビッグデータはAIを機能させるためのデータとして利用されています。
IoT(Internet of Things)
IoTとはInternet of Thingsの略で、センサーを使ってコンピュータではないものの状態をデータとして収集する技術です。
リクルートの新入社員がトイレの混雑状況を確認するアプリを制作したと話題になりました。
トイレのドアにセンサーを仕込み、開閉状況を逐一ネットに送り、集計する仕組みです。ドアにセンサーを付けて開閉状況を収集する仕組みをIoTを呼びます。
IoTもAIとの組み合わせが盛んで、特にヘルスケアの領域で活用事例が生まれています。
Apple Watchなどのウェラブル端末のアプリで健康情報を収集し、健康管理を行っている人もいるのではないでしょうか? これがまさにIoT×AIでの活用方法です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
DX(デジタルトランスフォーメーション)は技術ではなく、デジタル化によって業務やサービスを抜本的に見直す姿勢を指します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれている背景として、日本のIT化の遅れや時代遅れのシステム利用などの問題が経済産業省により指摘されています。
参考:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
そのため、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進は多くの企業にとって最重要課題の一つになっています。
X-Tech(クロステック)
X-Tech(クロステック)はITを使って全く新しいサービスを生み出している企業の総称として使われています。
語源はクロス=掛け合わせることを意味するXと、Tech=Technologyを組み合わせたものです。
代表的なものに以下のようなものがあります。
5G
5Gとは第5世代の通信規格のことで、これまで利用していた4G(第4世代)の最大100倍くらい、高速になると言われています。
応用方法については現在、各社が検討中ですが、一般的には遠隔手術、車の自動運転、スポーツ観戦やゲームの充実などが検討されています。
引用:5Gのサービス(NTTドコモ)
VR/AR
VR(バーチャルリアリティ)とは仮想空間をユーザ自身が体験するものです。
例:ゴーグルをつけてユーザがゲーム空間内でプレイする
AR(拡張現実)とは現実世界に非現実的なものを投影させるものです。
例:ポケモンGOで現実世界にポケモンを投影させる
IT業界の現状と今後の将来性
ここではIT業界の現状と将来性について説明します。
IT業界は将来性のある業界であることは間違いありません。その理由を説明します。
IT業界の現状
IT業界の現状を市場規模、労働者数、平均年収の3つの観点から説明します。
市場規模
IT業界の市場規模は国内最大で、全体の1割以上の101兆円を超えています。
参考:総務省・情報通信白書
経済産業省は、日本のIT化の遅れや時代遅れのシステム利用について問題定義しています。
そのため、すでに国内最大の産業ですが、まだまだ、伸びることは間違いありません。
労働者数
IT業界では約400万人が働いていますが、40万人程度の人手不足状態だと言われています。
しかし、2030年には80万人程度の人手不足になると言う予測があります。
参考:経済産業省・情報通信業基本調査
現在も人手不足だと言われていますが、今後はそれがさらに拡大する見込みとなっています。
平均年収
ITエンジニアの平均年収は452万円で全職種平均の409万円よりも43万円程度高いです。
参考:doda
なお、ITエンジニアの中でも仕事内容によって年収は大きく異なります。
- プロジェクトマネジャー 664万円
- データサイエンティスト 516万円
- システム開発/運用 473万円
- SE/プログラマ 417万円
- テクニカルサポート 409万円
年収アップを目指すなら転職で少しずつ、仕事内容を変え、ステップアップして行くことが大切です。
ITエンジニアでは仕事内容を変えてキャリアアップして行くことができます。
IT業界の今後の将来性
ここまでの話をまとめます。
●IT業界の最新トレンド
AI、ビッグデータ、IoT、DXなど、様々な新技術が新しい需要を生み出している。
●IT業界の現状
- 国内の1割を超える市場規模がさらに拡大する見込み。
- 現時点で40万人の人手不足だが、今後10年で80万人まで拡大する見込み。
- 年収は他の職種よりも高く、IT職種内でステップアップ可能。
このまとめから言えることは、IT業界には将来性があると言うことです。
有望な職種
IT業界自体は発展途上ですが、その中でも特に、将来性があると言われる職種を3つ、ご紹介します。
AIエンジニア
AIエンジニアとは、機械学習と言われる手法を利用して、特定の課題解決を行うエンジニアを指します。
例えば、「新卒採用のエントリーシート評価」を開発する場合、以下のような工程を担当します。
- 新卒採用のエントリーシート評価を自動化することを企画する
- 機械学習による実現方法を検討する
- プロトタイプを開発する
- プロトタイプの効果検証を行う
- データ収集・加工を行う
- 新卒採用のエントリーシート評価を自動化するシステムを開発する
- 開発したシステムの精度向上を行う
一般的なITエンジニアと最も異なるのは、1や7の工程が入ることです。
仕事の難易度は他のITエンジニアよりも高いと言えます。
その代わり、他の職種よりも高年収です。
- カカクコム:550万円~1000万円
- リクルート:580万円~1200万円
- DeNA:340万円~1500万円
なお、年収数千万円から100億円以上(Googleなど)と言うAIエンジニアもいます。その場合は、上記のような基本的な業務に加え、機械学習の新しい方法論を論文発表して評価されることが求められます。
IT以外を含めた全職種の中でも最も夢のある職種だと言えます。
未経験からAIスキルを身に付け、AIエンジニアに転職することに興味がある方には、Aidemyをおすすめします。
データサイエンティスト
データ・サイエンティストとは、データによる意思決定を推進する仕事です。ビッグデータを収集し、解析して事業運営やサービス改善に役立てることを期待されています。
例を挙げて説明します。
私が以前所属していたリクルートでは年間100億円以上の広告宣伝費を投じていました。掲載する媒体・期間・サービスなどは広告担当者の勘に頼っていました。
しかし、データサイエンティストが広告宣伝費および広告効果データを収集し、分析することで、掲載する媒体・期間・サービスを最適化でき、年間5億円以上の広告宣伝費を節約した上で、広告効果を過去最高にすることができました。
データ・サイエンティストはデータ分析に関連する統計などの専門知識に加え、担当部門と協同するコミュニケーションスキルやコンサルスキルも求められるため、かなり高度な仕事だと言えます。
そのため、平均年収は700万円を超え、1,000万円を超える求人もたくさんあります。
参考>> Indeed・日本のデータサイエンティストの給与
未経験からビッグデータ・統計スキルを身に付け、データ・サイエンティストに転職することに興味がある方には、Aidemyをおすすめします。
IoTエンジニア
IoTエンジニアとは、IoT技術を利用したシステムの開発を行うエンジニアを指します。
IoTとはInternet of Thingsの略で、センサーを使ってコンピュータではないものの状態をデータとして収集する技術です。
IoTの応用分野としては車の自動運転が最も有名ですが、それ以外にも医療/物流/農業/製造業/交通と活用を期待されている分野は幅広いです。活用事例は今後、どんどん、出てくると思われます。
年収はおおよそ300~1,200万円と幅が広いです。対象者が少ないこともあり、未経験者可となっている求人も比較的、見つかりやすいです。
参考>> Indeed・IoT求人
IT業界の課題
将来性もあり、高年収を得られる可能性の高いIT業界ですが、2つの課題を抱えています。
それぞれの課題について以下、説明します。
IT人材の人手不足
2020年時点で40万人程度、2030年には80万人のIT人材が不足すると言う試算があります。
出典>>経済産業省「IT分野について」:IT人材の需給に関する推計結果
こう言った見通しから危機感を持った政府は「中高生などを対象としたプログラミング教育」「2020年から実施されるプログラミングの義務教育化」などを行っています。
しかし、当面は人手不足が解消する目途は立っていません。そのため、未経験者でもチャンスの大きい業界と言えるでしょう。
エンジニアの長時間労働
筆者が富士通SEとしてIT業界に足を踏み入れた20年前は長時間労働が当たり前でした。最高で月の残業時間が450時間を超えたこともありました。
その当時、不夜城と言われた富士通やアクセンチュアなど、残業が多いことで有名な会社はいくつもありました。
しかし、最近は厚生労働省の指導もあり、残業が多いことで有名な会社ですらホワイトになっています。
それでも、担当するプロジェクトによってはピークタイムの2~3ヶ月は長時間労働が必要になる業界ではあることは間違いありません。
IT業界に将来性がないと言う意見について
AI(人工知能)によってIT業界の仕事がなくなるので将来性がない、と言う極端な意見があります。
無くなる仕事はありますが、全てがなくなることはあり得ません。
AI(人工知能)を機能させるためには大量のデータを学習させるなどの膨大な手間が掛かるため、あらゆる業務についてそんな手間を掛けることは現実的ではありません。
そのため、AI(人工知能)によってIT業界に将来性がないなどと言うことはあり得ません。
10年後のIT業界はどうなっているのか?
IT業界は今よりも更に発展していることは間違いありません。
どのようなサービス・企業が発展するのかを正確に見通すことは困難です。しかし、IT業界全体で見ると成長するでしょう。いや、成長せざるを得ません。
日本企業は労働生産性(仕事の効率)が先進国でも最下位近くであり、少子高齢化による労働力不足も問題視されています。そのため、ITの積極活用による労働生産性向上が必要なのです。
厚生労働省が旗振り役となり、日本企業の一層のIT活用を推進しています。
IT業界は10年後も安泰だと言えるでしょう。
まとめ
AI、ビックデータ、IoT、DXなど、新技術の登場でIT業界は活性化しています。
国内最大の産業として、さらなる発展を政府からは期待され、個人から見ても高年収を得られるチャンスの大きい業種と言えます。
一方、人手不足が今後、ますます、大きな課題となりそうです。
未経験者でもIT業界に興味がある人は転職を検討してみてはいかがでしょう?