「手に職つけたいから、IT関係の仕事に転職したいけど、未経験だから無理かな・・・」
こう言った不安を解消するために本記事では以下について説明します。
なお、未経験からエンジニアへの転職方法については「【6ステップで解説】未経験からエンジニア転職へのロードマップ」を参考にしてみてください。
本記事の内容
- IT業界にどんな会社があるのか?
- IT関係の仕事にはどんなものがあるのか?
- 未経験から転職できる仕事
- 未経験からの転職に失敗しないためのポイント
- 未経験から転職するための方法
- 20代未経験から転職する際のポイント
- 30代未経験から転職する際のポイント
IT業界の分類
IT業界と言っても、様々な業種があります。
ここでは5つに分類して説明します。
- インターネット/Web業界
- 情報処理業界
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- 通信業界
IT業界の全体像や職種・将来性等について知りたい方は「【簡単理解】IT業界地図で業種・職種・年収帯・将来性を分かりやすく説明」をご覧ください。
インターネット/Web業界
インターネット上のWebサイトを使ったビジネスを行っている業界。
代表的な企業:Google、 Facebook、 Yahoo、 Amazon、 楽天 など
転職界隈では、web系(自社開発)と呼ばれ、転職者に人気がある業界。そのため、未経験から転職するのは難しい。
関連>> Web系はやめとけ!|転職前に押さえておきたいデメリットを解説
情報処理業界
企業の業務をサポートするためのシステムの設計・開発、運用・保守を行う業界。
代表的な企業:NTTデータ、 富士通、日立製作所、 NEC、 IBM、 野村総研 など
IT業界で最も大きく、企業数も多い。人手不足の会社も多く、未経験OKの求人も多い。
ソフトウェア業界
システム開発に必要なソフトウェアの販売・保守を行う業界。
代表的な企業:マイクロソフト、 オラクル、 SAP、 アドビ など
多くの企業がソフトウェアの売り切りからサブスクリプションと言われる従量課金モデルに移行している。未経験者の中途採用はほぼ行っていない。
ハードウェア業界
パソコンやサーバ、ストレージなどの周辺機器の販売・保守を行う業界。
代表的な企業:Apple、 HP、 DELL、 レノボ、 キヤノン など
サーバは企業が自社保有するのが当たり前だったが、AWSなどのクラウド企業の登場で、自社で保有しないのがトレンドに。転換点を迎えた業界。未経験者の中途採用はほぼ行っていない。
通信業界
スマホ回線やインターネット回線の整備・提供を行う業界。
代表的な企業:NTTドコモ、 KDDI、 ソフトバンク、 NTT など
安定業種の代表格。だったが、政府からのスマホ料金値下げで不透明感が漂うことに。未経験者の中途採用はほぼ行っていない。
未経験者歓迎のIT関係の仕事
未経験者歓迎の求人数
リクナビNEXTで、未経験者歓迎の求人数を調査したところ、以下の通りでした。
職種分類 | 未経験者歓迎の求人数 |
システム開発(Web・オープン・モバイル系) | 126件 |
運用・保守・監視・テクニカルサポート | 57件 |
ネットワーク・サーバ設計・構築(LAN・WAN・Web系) | 35件 |
システム開発(組み込み・ファームウェア・制御系) | 16件 |
システムコンサルタント・システムアナリスト・プリセールス | 14件 |
システム開発(汎用機系) | 7件 |
通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系) | 7件 |
パッケージソフト・ミドルウェア開発 | 4件 |
リクナビNEXTに掲載されている求人のみを集計したものなので、実際にはもっとたくさんの未経験者歓迎の求人はあります。
なお、未経験者歓迎と言いながら歓迎していないケースも多いため、注意が必要です。
関連>> 【未経験者歓迎の求人】意味と対策【嘘ではないが紛らわしい】
未経験から転職できるIT関係の仕事
リクナビNEXTに掲載されている未経験者歓迎の求人について原稿を読んで確認しました。完全な未経験者でもOKとしている求人が多いのは、以下2つの職種分類でした。
- システム開発(Web・オープン・モバイル系) >> リクナビNEXTの求人を見る
- 運用・保守・監視・テクニカルサポート >> リクナビNEXTの求人を見る
これら以外の職種分類の求人では何らかのIT業界での経験を必要としているものがほとんどでした。
上記2つの職種分類で募集されている職種は以下の通りです。
- プログラマー:プログラミングを行うことでアプリ開発を行う職種
- インフラ保守:サーバやネットワークの正常動作するように運用する職種
- ヘルプデスク:ユーザのPC操作に関するQ&Aなどを行う職種
手に職を付けると言う意味では、プログラマーやインフラ保守からキャリアアップして行くのが良いと思います。
未経験歓迎の求人が多い理由
仕事を探している求職者ひとり当たりの求人数のことを求人倍率と言います。
求人倍率が10だとすると、求職者は10件の求人から転職先を選べると言う意味です。
本記事の執筆時点での職種毎の求人倍率は以下の通りです。
見ての通り、IT関係の「技術系(IT・通信)」は他職種よりも突出して求人倍率が高いです。
赤い線を引いているのが求人倍率1なので、求職者ひとりに1求人です。IT関係は約9なので、求職者ひとりが9求人から選ぶことができるのです。
つまり、IT関係の仕事は他職種よりも転職しやすい状況にあります。
逆に企業側から見ると採用しづらい状況なのです。そのため、未経験でも採用して教育する企業が多いのです。
こう言った背景があるため、IT関係の仕事は未経験から転職しやすいのです。
未経験からIT関係の仕事への転職に失敗しないための3つのポイント
未経験からIT関係への転職に失敗しないためのポイントは以下3つです。
- 未経験者を本当に歓迎している求人に応募する
- 自己PRと志望動機をしっかり練る
- 面接ではコミュニケーションをしっかりと取る
それぞれのポイントについて以下説明します。
未経験者を本当に歓迎している求人に応募する
未経験者歓迎求人には落とし穴があります。
未経験者歓迎求人の中には、経験者のみを採用したい求人が紛れています。そのため、本当に未経験者を歓迎している求人を見極めて応募する必要があります。
そうしなければ、期待して応募したにもかかわらず、書類選考すら通らないことになりかねません。
未経験者歓迎求人の見極め方は「【未経験者歓迎の求人】意味と対策【嘘ではないが紛らわしい】」で詳しく説明しています。
自己PRと志望動機をしっかり練る
未経験者を採用する際のポイントは以下の3点です。
- やる気があり、採用して教育すれば戦力になりそうか?
- すぐに辞めなさそうか?
- 会社に合いそうか?
それぞれのポイントについて以下解説します。
やる気があり、採用して教育すれば戦力になりそうか?
どうすれば、やる気があり、戦力になりそうだと思ってもらえると思いますか?
「やる気はあります!」
「頑張ります!」
では信憑性がありません。面接官は応募者のことを知らないためです。
プログラミングを学び、このような試作品を作りました!とアピールするのが良いです。自発的に学び、一定のスキルがあれば、やる気も感じられ、戦力化もある程度の短時間でできそうだと考えられるためです。
すぐに辞めなさそうか?
すぐに辞められると採用に要した時間や費用が無駄になるため、企業は嫌がります。
面接官はすぐに辞めそうかどうかを、応募者の志望動機や自己PRで判断します。
面接官が志望動機や自己PRから知りたいのは以下のようなことです。
- なぜ、未経験からIT関係に転職するのか?
- IT関係の仕事に強い思いはあるか?
- 新しい環境に柔軟に対応しそうか?
こう言った面接官が抱える不安を解消できるような、志望動機や自己PRを準備する必要があります。
会社に合いそうか?
人間同士と同じように、会社と人にも相性があります。「社風に合わない」は代表的な不採用理由の一つです。
応募者から見ると、なぜ?と思うものですが、面接官から見ると、はっきりと合わないと感じることがあります。
応募先の社風に合わせることもできるかもしれませんが、応募者・会社ともに不幸になりかねません。こう言った相性の問題で不採用になった場合は、割り切って次の会社に当たるようにしましょう。
面接ではコミュニケーションをしっかりと取る
面接でしっかりとコミュニケーションを取るとは、面接官に質問の意図を組んで回答すると言うことです。
当たり前に聞こえると思いますが、質問と回答が食い違うことは良くあります。なぜなら、特に応募者は緊張しているからです。
例えば、応募者がアピール不足だと感じている面接で最後の質問をされたとしましょう。
面接官「最後に何か質問はありますか?」
応募者「私は未経験ですが、プログラミングを3ヶ月掛けて学び・・・」
面接官「(質問はないかと聞いたのに自己PRし始めたな・・・)」
こう言ったやり取りが続くと応募者はコミュニケーション力不足と判断されます。上記の例については、例えば、以下のように一言添えると、質疑が噛み合います。
面接官「最後に何か質問はありますか?」
応募者「質問したいことは色々とありますが、時間も限られていると思いますので、最後に自己PRをさせて下さい。私は未経験ですが・・・」
上記はあくまでも例示です。「質問はありませんか?」と聞かれた場合、質問した上で手短に自己PRを行うのが良いでしょう。
未経験からIT関係の仕事に転職するための方法
ここまで、IT関係の仕事の中でも、プログラマーなどは未経験からでも転職できる、と言う話をしてきました。
しかし、いくら、未経験で転職できると言っても、誰でも転職できる訳ではありません。採用にも、採用後の育成にもお金や時間が掛かるためです。
ここでは、未経験からIT業界に転職するための方法について説明します。
プログラミングスキルを身に付ける
IT関係の仕事の中で、未経験から転職しやすいのはプログラマーです。
プログラマーはプログラミングすることが仕事なので、プログラミングスキルを身に付けることが転職への第一歩となります。
プログラミングの学び方は大きく以下の2通りです。
- 独学で学ぶ
- プログラミングスクールに通う
プログラミングの独学での挫折率は9割程度と言われているため、お金は掛かりますが、プログラミングスクールに通うのが確実です。
プログラミング独学については「プログラミング独学できるのか?無理なのか?挫折のポイントとは?」で詳しく説明しています。
また、おすすめのプログラミングスクールについては「【目的別】おすすめのプログラミングスクール厳選7校を徹底比較」をご覧下さい。
求人サイトと転職エージェントに登録する
求人サイトも転職エージェントも無料で利用できます。
求人サイトは掲載されている求人を自分で選んで応募するのに対して、転職エージェントはキャリアアドバイザが自分の希望を聞いたうえで求人を推薦して貰え、気に入った求人に応募します。
転職エージェントでは経歴書の作り方や面接指導まで行って貰えるため、必ず、登録しましょう。
通常は経験者が対象となりますが、以下の転職エージェントは未経験者を対象としています。
第二新卒や高卒、フリーター向けの就職 / 転職支援サイト【 第二新卒エージェント neo 】
未経験者歓迎の求人数自体は業界最大手のリクナビNEXTの方が多いため、リクナビNEXTにも登録しておきましょう。
リクナビNEXT
たくさんの未経験者歓迎の求人に応募する
どのくらい、応募するのかは人に寄りますが、大体の目安は以下の通りです。
20代:50社応募⇒10社面接⇒5社内定
30代:200社応募⇒20社面接⇒5社内定
20代に比べて30代の方が応募社数が多いのは、それだけ、年齢が上がることで転職のハードルが上がるためです。
関連>> IT転職で年齢による限界はないが、未経験者は要注意。
経歴書の作り込みも必要ですし、面接に慣れていく必要もあります。
たくさんの未経験者歓迎求人に応募して、IT関係の仕事への転職を成功させて下さいね!
20代未経験からIT関係の仕事に転職する際のポイント
IT未経験者の場合、年齢によって転職の進め方は変わります。
詳しくは「IT転職で年齢による限界はないが、未経験者は要注意。」をご覧ください。
ここではポイントを絞って、20代を以下の2つに分けて説明します。
- 25歳以下の20代未経験者がIT転職する際のポイント
- 26歳以上の20代未経験者がIT転職する際のポイント
25歳以下の20代未経験者がIT転職する際のポイント
25歳以下の採用はポテンシャル採用と呼ばれ、スキルはほとんど問われません。
そのため、応募者が高学歴なら経歴書の作り込み、面接対策のみでも転職できます。
以下2つのパターンに分けて説明します。
- 高学歴者の場合
- 高学歴とまでは言えない場合
高学歴者の場合
転職方法としては、キャリアアドバイザーに経歴書作成・面接対策の相談ができ、非公開求人がある転職エージェント利用がおすすめです。以下はおすすめの転職エージェントです。
- リクルートエージェント
- doda
転職エージェントと併用した方が良いのが転職求人サイトです。転職エージェントにはない求人があることがあるためです。以下はおすすめの転職求人サイトです。
- リクナビNEXT
- マイナビ転職
高学歴とまでは言えない場合
高学歴と言うだけでポテンシャルがあると判断されてしまいますが、そうでない場合はポテンシャルがあることを証明する必要があります。
プログラミングスキルを身に付け、試作品(ポートフォリオ)で示すことでポテンシャルがあることを説明できます。
そのためには前章で説明したようにプログラミングスクール通学が分かりやすいです。
おすすめのプログラミングスクールについては「【目的別】おすすめのプログラミングスクール厳選7校を徹底比較」をご覧下さい。
26歳以上の20代未経験者がIT転職する際のポイント
26歳以上の場合は、即戦力採用が中心となります。
ただし、これまで説明したようにIT業界全体が人手不足であるため、未経験者でも採用されます。
しかし、ITの基礎スキルは欲しいのでプログラミングスクールに通学して基本的なプログラミングスキルを身に付けることは必須です。
おすすめのプログラミングスクールについては「【目的別】おすすめのプログラミングスクール厳選7校を徹底比較」をご覧下さい。
30代未経験からIT関係の仕事に転職する際のポイント
30代を以下の2つに分けて説明します。
- 35歳以下の30代未経験者がIT転職する際のポイント
- 36歳以上の30代未経験者がIT転職する際のポイント
年齢と転職の関係については「IT転職で年齢による限界はないが、未経験者は要注意。」をご覧ください。
35歳以下の30代未経験者がIT転職する際のポイント
即戦力採用中心となります。
ただし、これまで説明したようにIT業界全体が人手不足であるため、未経験者でも採用されることはあります。
しかし、一定のスキルは必要なのでプログラミングスクールに通学してプログラミングスキルを身に付けることは必須です。
おすすめのプログラミングスクールについては「【目的別】おすすめのプログラミングスクール厳選7校を徹底比較」をご覧下さい。
36歳以上の30代未経験者がIT転職する際のポイント
この年代になると未経験からIT業界に転職することはおすすめできません。
ほとんどの会社でマネージメントスキルが求められるようになる年代なので、未経験からプレーヤーとして転職しても思うようなキャリアを築ける可能性が低いためです。