「IT資格は不要だし、取っても意味ないよ」
IT業界ではIT資格の是非について色々な意見がありますが、IT資格はいらないと言う優秀なエンジニアはたくさんいます。
しかし、実際にはIT資格がいるエンジニアといらないエンジニアがいます。
本記事では以下の内容について説明します。
- IT資格がいらないケース
- IT資格があると有利になるケース
- IT資格がいらないと言われる理由

<プロフィール>
富士通でSEを5年、リクルートでWebエンジニアを10年
リクルートでリクナビNEXT担当だったため、転職業界に精通
現在は事業会社のIT部門責任者で採用面接の責任者
IT業界は適切に努力すれば、キャリアアップ・年収アップできます。そのコツやポイントをお伝えします。

IT資格がいらないケースとは?

IT資格が評価されにくい代表的なケースは以下の通りです。
- アプリ系エンジニア
- 30代以降のエンジニア
それぞれについて以下説明します。
アプリ系エンジニア
アプリ系エンジニア(WEB系も同様)ではIT資格は評価されにくいです。
理由はアプリケーション開発に資格が役に立たないためです。
アプリケーション開発は大雑把に言うと以下の工程で行います。
- 要件定義:顧客と開発内容の概要を決めること
- 設計:顧客と開発内容の詳細を決めること
- 開発:設計内容に沿ったプログラミング・テストを行うこと
要件定義・設計ともに顧客とのコミュニケーションがポイントになるため、資格を取得してもスキルアップを図れないわけです。
アプリケーション開発は実戦を積み重ねる以外にスキルアップする方法はありません。
30代以降のエンジニア
IT資格を取る目的は、一般的にはスキルアップや評価向上です。
20代まではそう言った目的で取得するのは良いことだと思います。
一方、30代以降は一定のスキルは持ってて当たり前で、実績による評価となります。
そのため、30代以降は資格取得に時間を取るよりも仕事での実績を上げるために頑張った方が良いのは間違いありません。
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IT資格があると有利になるケースとは?

IT資格を持っていることが有利になるケースももちろんあります。
主に以下の4ケースに該当する場合はIT資格を取得すると良いでしょう。
- インフラ系エンジニアのケース
- 25歳くらいまでの第二新卒層のエンジニアまたは未経験者のケース
- 所属会社または希望する転職先が資格取得を推奨しているケース
- システム監査人など知識が業務に直接役立つケース
それぞれのケースについて個別に見ていきましょう。
インフラ系エンジニアのケース
アプリ系エンジニア(WEB系も同様)の場合、IT資格取得がスキルアップに繋がらないことを説明しました。
一方、インフラ系エンジニアはIT資格取得がスキルアップに繋がります。
したがって、取得することでスキルアップを図ることが望まれます。
アプリ系エンジニアのスキルはコミュニケーションなどのソフトなものが重要なのに対して、インフラ系エンジニアはサーバやネットワークなどの機器設定の知識が重要なので、資格によるスキルアップを図りやすいわけです。
代表的な資格を紹介します。
基本情報技術者試験
ITエンジニアが最も取得している国家資格だと思われます。
テクノロジー・マネジメント・ストラテジーなどIT領域を幅広くカバーしているため、IT業界で働くための基礎を抑えるには最適な資格だと言えます。
学生や未経験からエンジニアに転職を考えている人は、この資格を持っているとやる気をアピールすることができます。
3ヶ月程度、毎日2時間くらい勉強すれば合格可能な資格です。
応用情報技術者試験
基本情報技術者試験の応用編の国家資格です。
知識を問う問題には大きな違いはありませんが、記述式の問題が出る点が基本情報技術者試験との大きな違いです。
基本情報技術者試験は学生で取得する人もいますが、応用情報技術者試験は現役のITエンジニアによる取得が多いです。
ただし、業務経験が無くても取得できるため、ポテンシャル採用でアピールしたいなら合格目指して頑張ってみるのも良いでしょう。
ネットワークスペシャリスト
ネットワーク全般について幅広い知識を持ち、大規模なネットワーク環境を構築・運用できるネットワークエンジニアとしての能力を証明するための国家資格です。
ネットワークエンジニアになるのであれば、取得した方が良い資格と言えます。
難易度は高いと言われているため、実務経験を積みながら取得を目指して勉強する形になると思われます。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストは高いレベルでのデータベース企画・要件定義・開発から、運用・保守までカバーできる人材であることを証明するための国家資格です。
本資格もデータベースエンジニアになるなら、取得した方が良いでしょう。
ただし、ネットワークエンジニア同様、難易度は高いため、実務経験を積みながら取得のための勉強を行うことをおすすめします。
シスコ技術者認定
世界最大手のネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの技能を認定する資格です。
ネットワークスペシャリストとは異なり、難易度が5段階に分かれているため、未経験からネットワークエンジニアを目指す場合は下から2番目のCCNAを取得することをおすすめします。
ORACLE MASTER
日本オラクル社が運営するOracle Databaseシリーズを扱う技術力を認定する資格です。
試験ではデータベースの管理/運用のほか、SQLの習熟度を問う問題が出題されます。
データベーススペシャリストとは異なり、難易度が5段階に分かれているため、未経験からデータベースエンジニアを目指す場合は比較的簡単なBronze/Silverを取得することをおすすめします。
Linux技術者認定 LinuC
「Linuxシステムの構築・運用・管理の専門家」を認定する認定資格です。
Linuxサーバでシステム構築する会社には重宝される資格です。
こちらも3段階に分かれているため、未経験からLinuxサーバエンジニアを目指す場合は一番簡単な資格で良いので取得することをおすすめします。
AWS認定
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は全ての基礎になりますが、それ以外はインフラ系エンジニアを目指す場合、これまで推奨されてきた資格です。
しかし、時代は完全にクラウド利用に向いているので今後はAWSの資格を取得した方がキャリアアップに繋がる可能性は高いと思います。
25歳くらいまでの第二新卒層のエンジニアまたは未経験者のケース
こう言った層はポテンシャル採用となるため、やる気が重視されます。
やる気を示す方法として資格取得は有効です。
そう言った目的では基本情報技術者試験がITエンジニアとしての基礎なので良いでしょう。
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所属会社または希望する転職先が資格取得を推奨しているケース
資格取得を会社として推奨している場合は当然、取得した方が良いでしょう。
そう言った会社は自社のWebサイトや求人広告に取得保有者数を掲載していることがあるため、そう言ったところを確認することで分かります。
MicrosoftやAWSと業務提携している場合は、関連する資格取得が求められます。
システム監査人など知識が業務に直接役立つケース
システム監査人とは、情報システム等に関するリスク分析・点検・評価などをする仕事です。
コンサルティングファームや監査法人、大企業の監査部門などに勤めることになります。
システム監査人は「システム監査技術者試験」取得が必須です。
難易度の高い資格の一つですが、取得できるとその後のキャリアは安定すると思います。
IT資格がいらないと言われる理由とは?

ここまでIT資格が必要ないケース、必要なケースについて説明してきました。
ここではなぜ、IT資格が不要と言われるのかについて説明します。
特にアプリ系エンジニアの間で言われていることです。
現場の実務に役立たないから
アプリ系エンジニアのスキルの中でも特に重要なコミュニケーションスキルは実践の中でOJTを通してしか、学びようがありません。
資格のテキストや試験問題で現場の実務に直結する知識は得られにくいでしょう。
これはアプリ系エンジニア全員が思うことだろうと思います。
コスパが悪いから
現場の実務の役に立たないと言っても、資格で学ぶことが全く役に立たないわけではありません。
資格のテキストの2~3割程度は実務で学んだことを整理する意味で役に立ちます。
しかし、資格取得を目的とすると、実務では全く役に立たないようなことまで学ぶ必要があるため、どうしてもコスパが悪くなるのです。
ITエンジニアになるには資格よりも転職活動を行うと良いでしょう。
転職活動には転職サイトと転職エージェントを併用利用するのがおすすめです。
転職エージェントとは、求職者と採用企業の間を仲介してくれるサービスを指し、転職サイトとは求人案件を見て、求職者が自ら応募するサービスのことを指しています。
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